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会社史への提言
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推薦の言葉

大阪大学名誉教授 宮本又郎

 1968年に公益財団法人として設立されて以来、日本経営史研究所は会社史、経営史、産業史の分野で地道な調査研究活動を続け、数多くの会社史や企業の伝記・史料を世に送り出してきた。とくに、専門研究者の参加を得て編纂・刊行されてきた会社史は現在134冊(2012年5月)に達しているが、信頼性・学術性高く、日本の会社史の水準を大きく引き上げることに貢献してきた。
 このたび、新しく企画された『産業経営史シリーズ』は、同研究所が財団法人制度改革に伴って2011年4月から一般財団法人として再出発することになったことを契機に、これまでの実績・経験を踏まえつつ、経営史と産業史の分野で新たな公益事業を果たすことを目的として企画されたものである。
 マクロ経済に関する日本経済史や、個別企業を対象とする経営史の書物は多いが、産業史に関するものは意外に少ない。業界団体が刊行した大部な業界史や、ライターが執筆した就職案内的なものはあるが、学術的な研究成果を踏まえてコンパクトにまとめたものは、あまり見当たらない。その点、本シリーズでは24の産業分野について、その分野の研究の第一人者が執筆するというから大いに期待がもてる。また、最初に刊行される『日本の経済』と『日本の経営』はそれぞれ日本経済史と日本経営史の最高権威・三和良一教授、由井常彦教授らの手になるだけに、格好のイントロダクションとなっている。
 産業の選択に際しては、現代経済において比重の大きいものを優先しながらも、歴史のなかで大きな役割を果たしてきた産業も重視したという、これも適切である。グローバル化が進行するなかで、日本の産業構造はかつてないほど急激に変化している。日本の各産業がどのようにして成り立ち、どのような成長・変化を遂げて、今日どのような状況にあるのか、各産業の盛衰をもたらした要因は何であったのか、これらを知ることは研究者や学生ばかりではなく、新しい産業社会の構築を模索している経営者やビジネスマン、政策担当者にとって必須のことであるに違いない。タイムリーな企画に喝采を送り、江湖に推薦申し上げる次第である。




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